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第2話 真相

last update Last Updated: 2025-11-13 15:59:39

最初は美緒も同席して、3人で一緒に話をしていたが、

「もう私抜きで連絡取ってもらっていいから」と言って途中で帰ってしまったので、私は久慈さんと連絡先を交換し、直接連絡を取ることにした。

とりあえず、彼氏のスマホメッセージを撮影していたので、見てもらうことに。

「あ〜コレは……」

「浮気してますよね?」と言うと、

「う〜ん、恐らく! この滑り台のある部屋ってラブホテルのことだろうな」とおっしゃる。

──やっぱり……

「こうなったら、証拠の動画を撮るしか……」と、そのメッセージにある日時に、卓人を尾行することにした。

しかし、私が動くとすぐにバレるだろうと、卓人が知らない久慈さんが尾行してくれることになったのだ。

そして、土曜日当日。

美緒は、予定が入っているので、来られないと言うので、

〈分かった! 忙しいのにごめんね。またお願いね〉とメッセージを送った。

土曜日は、基本、卓人も私も仕事はお休み。

2日前の木曜日に、

「あっ俺、土曜日、友達と呑みに行くから晩ご飯は、いらないや」と言われた。

──!! だよね……

「そう! 分かった。友達って?」と、一応聞いてみた。

「あ〜大学の時の友達だから、菜月はまだ知らないよな」と言われたので、

「じゃあ、来月の結婚式の日には、会えるね」と言うと、

「あ〜アイツら、どうだったかなあ? 忙しそうだし来れるか分かんないみたいだけどな。だから、土曜日会って来るわ」と、右上を見ながら必死で言葉を探している。

明らかに、嘘だと思った。

右ききの人は、嘘を吐く時、右上を見る!

──嘘に嘘を重ねる

卓人! 1つ嘘を吐くと、また嘘が増えるんだよ

それに、もう来月の結婚式は、恐らく無くなるのだろうと、思っていた。

もし、この事実が明るみになれば、きっと私の両親は怒り狂って冷静では居られないと思うから。

久慈さんからも、

「もしもの時の為に、家を出る覚悟と準備だけはしておいてください」と言われた。

更に、夜に呑みに行くと言っていたくせに、当日になって、

「ごめん、朝早くに地方から出て来た奴が居るから、早めに出るわ! 行って来ま〜す」と、卓人は呑気にお昼前に出て行った。

そして……

パタン

このドアを閉める音を聞くのも今日が最後になるのかもしれない。

私は、すぐに久慈さんに連絡を入れ、自分の荷物をスーツケースにまとめた。

もし違ったとしても、少し頭を冷やす為に、実家に帰ろうと思っていたからだ。

どうか、違いますように……

ほぼ確定だと思いながらも、まだ僅かでも、卓人を信じたい! という気持ちが残っていた。

自然に涙が溢れ落ちた。

──この3年間は、なんだったんだろう

テーブルの上に、婚約指輪を置いた。

もし、違ったら、取りに戻ろう!

でも、浮気が事実なら、このまま結婚する気になんてなれない!

久慈さんからは、朝に連絡が入っていた。

〈今日、よろしくお願いします。大丈夫ですか?〉

〈はい、ありがとうございます。大丈夫です。こちらこそ宜しくお願いします〉

お昼前には、卓人が出て行くことを告げた。

なので、部屋を出て行ってすぐに連絡すると、

〈了解! 尾行開始します!〉と連絡をくださっていたので、後で合流することにした。

荷物を持って出て、駅のコインロッカーに預けた。

そして、久慈さんに現在地を教えて頂いて、電車に乗って合流することに……

すると、久慈さんから、

〈コンビニに入りました〉と連絡が入ったので、急いだ。

駅から数m歩いたコンビニに居るようだ。

その近くで、久慈さんと合流。

「すみません。遅くなりました」

「いや、大丈夫! 恐らく相手と待ち合わせだと思うんだけど……」と探偵バリの尾行。

──慣れてる? 探偵経験有りなの?

「あっ、出て来た!」

コンビニの方を見ると、卓人が店先でキョロキョロ、誰かを待っているようだ。

見つからないように、私には背を向けさせて、カップルのフリをして、久慈さんがスマホで撮影しながら見てくださっている。

「来た! えっ!」

久慈さんの顔色が変わった!

思わず私も振り返って見てしまった。

そこに現れたのは……

卓人に手を振りながら近づく女、

それは、まさかの美緒だった。

「えっ?」

「どういう事だ?」

「どうして?」

久慈さんは、動画を撮り続けてくださった。

私は、ショックでカラダの力が抜けながらも、全てを見ないと……と、それを凝視していた。

ショックからどんどん怒りへと変化していった。

2人はまず、落ち合いウィンドーショッピングを楽しんでいる様子。

──何? 卓人のあの笑顔……

そして、カフェに入り昼食を済ませるようだ。

──妙に馴れ馴れしい、いったいいつからなのだろう

その後、メッセージにあった通り、滑り台のある部屋があると思われるラブホテルへと向かった。

──やっぱり事実だったんだ……

久慈さんがバッチリ撮影してくださった。

入る前に止めることも出来たのだが、余りにもショックで、気持ち悪くて私は動けなくなってしまった。

「どうしますか? 止めましょうか?」

「いえ、もういいです。出て来たところで」と言っていた。

一旦泳がせて言い訳出来ないように出て来た所を撮ってもらうことにした。入る前に止めると、きっと『何もしてないよ!』と言いかねない。

その時点で私は、「もう、終わりだ」と思っていたのだから……

その待ち時間、恐らく2時間ほどは出て来ないだろうと、ホテルの入口が見えるカフェに入った。

久慈さんが見てくださっている。

ココでも、私には背を向けて座るよう配慮してくださった。

何か食べた方が良いからと食事を勧められたが、食欲などない。

飲み物だけでもと言われ、アイスティーを頼んだ。

久慈さんが気遣ってくださり、サンドウィッチも頼んでくださっていた。

「少しでも食べて」と言われ、1切れ手にした。

野菜だと食べ易いかと思い、トマト、ハム、きゅうりがサンドされている物を選んだ。

「美味しい。こんな時でもお腹は空くんですね」と泣けて来た。

「ウウッ……ごめんなさい」

「いえ、あなたが謝ることなんて何もないですよ。泣きたいだけ泣いてください」

「ウウッウウッ……」

カフェなのに、我慢し切れず、思わず涙を流していた。

一緒に居る久慈さんが、冷ややかな目で見られるのに、お構いなしに、ハンカチを手渡してくれる。

久慈さんの優しさに余計、涙が溢れた。

「アイツら、マジで許さねー! ただで済むと思うなよ!」と怒ってくださっている。

「どうしてだろう?」と呟くと、

鷺野さぎの(美緒)と、彼は知り合いだったんですか?」と聞かれて、半年前に私が彼を婚約者だと紹介したことを話した。

すると、

「鷺野とは友達だったんですよね?」と聞かれた。

「はい、大学生の頃から」

「そうですか……」と険しい顔をされた。

「美緒は、友達だとは思ってなかったのかなあ?」と言うと、

「う〜ん、2人の関係がよく分からないですが、もしかすると、堀田さんに何らかのねたみがあって、彼を奪ってやろうと思ったとか?」とおっしゃっる。

「え?」

私は、とても驚いた!

でも、思い当たる節がある。

大学時代に付き合っていた彼からも、急に、

『好きな人が出来た』と言われて別れたことがある。

美緒に、「あんなクズ辞めときなよ!」と言われてすぐのことだった。

その頃、美緒には特定の彼氏は居なくて、

「男なんてクズばかり!」と、数人と遊んでいる様子だったから、「そんなの辞めなよ!」と、言ったことがある。

もしかして……今思えば、その相手の中に元彼も入っていたのかもしれないと思うとゾッとした。

どうして今まで気づかなかったのだろう。

鷺野さぎの(美緒)は解雇します! もうウチの会社では必要ありません。彼の会社もだけど、ウチの会社でももちろん、こんなことが許される訳がないんだから」とおっしゃった。

「解雇ですか?」

「ええ」

──え? もしや?

「もしかして、久慈さんは、社長さんなんですか?」と聞くと、

「ええ、そうです。ウチの社員が大変申し訳ありません」とおっしゃってくださった。

──!!

美緒からは上司としか聞いていなかったが、実は美緒の会社の社長さんなのだと知った。

「いえ、私の友達……···から」と自然と過去形で言っていた。

もう友達でも何でもない!

でも、どうしても気になっていることが……

「久慈さんは、どうしてここまでしてくださるんですか?」と、私は聞いていた。

「あ〜私も以前、女性に騙されたことがあるんですよ」とおっしゃった。

「え?」

「私が会社を経営していると知って、旦那さんがいるのに、隠して言い寄られて、知らずにしばらく付き合っていました」

「!!そうなんですか……」

「もちろん私は、知らなくて騙された方だから被害者ですが、本気で結婚しようと思ってたんです。だから悔しくて……」と……。

久慈さんも辛い思いをされたんだと知った。

「色んな人が居ますからね、騙される方が悪い! みたいに言われるし……ふざけんな! って感じですよね」と苦笑いされている。

だから、初めて会った私なんかの為に、ここまでしてくださるんだと思った。

なので、今後のことは、会社の顧問弁護士さんの弁護士事務所を紹介してくださると言う。

婚約不履行で2人を訴えると、当然、美緒は会社でその問題が取り上げられて、解雇になるだろうと。

卓人に関しても会社に報告、恐らく会社側が何らかの処分を下されるだろうと。

だから、美緒を解雇だ! とおっしゃったのだ。

「慰謝料と結婚式や新婚旅行などのキャンセル料の損害賠償を彼に、彼女にも慰謝料を請求してください!」と、その為に弁護士さんは、立てた方が良いとのことだ。

「何から何まで、お世話になりありがとうございます」と言っていた。

そして、荷物の整理をして来たのかと聞かれたので、スーツケースに詰めて駅のロッカーに預けて来たと伝えると、

「そうですか……」

婚約指輪も置いて来たことを言うと、

「残念ながら正解でしたね」と……

「ほんの少しでも、間違いであって欲しいと思っていたんですけどね〜」と言うと、

「そうですか、信じたかったですよね」とおっしゃってくださった。

──でも、この目で見てしまったので、一気に冷めた

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